院長の糖尿病ノート
糖尿病の薬物治療
2017.04.20
食事療法・運動療法のみでは効果不十分な場合は、薬物療法を行います。
様々な種類の薬があり、インスリンの分泌を促す薬剤と、インスリンの量は変えずにインスリンの効果を増強させる薬剤、ブドウ糖の吸収や排泄を調節する薬に分けられます。
また注射薬にはインスリンとGLP-1受容体作動薬があり、いずれも自己注射を行います。
薬剤は、インスリンの分泌状態や、空腹時・食後血糖のいずれが高いのか・年齢・合併症の状況・肝機能・腎機能などを総合的に判断して決定します。
1種類の薬剤でコントロールが得られない場合は、2種類、さらにそれ以上の薬剤を組み合わせることもあります。
最も適した薬剤を選択することが、糖尿病専門医の重要な役割です。
インスリン分泌を促す薬剤を内服すると、低血糖を起こすことがあります。
いずれの薬剤も何らかの副作用が起こる可能性がゼロではありませんので、薬の使用は最小限にすることが望まれます。
そのためには、食事・運動療法による生活習慣の改善が最も大切です。
当クリニックでは、薬剤の使用を必要最小限にすることを基本方針とし、食事療法などの療養指導に力を入れています。
すでに薬を服用している患者さんは、食事指導などで薬を減らせることが私たちスタッフの目標です。
1型糖尿病などのインスリンが分泌できない患者さん、妊婦さん、手術や重症感染症併発時などではインスリン注射が必要です。
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