院長の糖尿病ノート

糖尿病内科

知っていますか?運動の効果(管理栄養士/健康運動指導士)

2017.09.25

朝夕日毎に涼しくなってきました。暑い夏には運動ができなかった方も、そろそろ運動を始めようと思っているところではないでしょうか?

 

      

運動が身体に良いというのは、皆さんご存知だと思います。

では実際どのようにいいのか、運動の効果をまとめてみました。

 

・血液中のブドウ糖の利用が促進され、血糖が低下する(急性効果)

・インスリンの効きを改善する(慢性効果) → 血糖が下がりやすくなる

・エネルギー摂取量と消費量のバランスが改善され、減量効果がある

・加齢や運動不足による筋萎縮や、骨粗しょう症の予防に有効

・高血圧や脂質異常症の改善に有効

など、さまざまな効果がみられます。

 

食事療法はより血糖の上昇を抑え、運動療法はより血糖を降下させます。それぞれ効果に違いがあり、相乗効果があるため糖尿病の治療には両者が欠かせないのです。

 

「運動がいいのはわかるんだけど、運動って何をしたらいいの?」そんな声をよく聞きます。運動というと、ジムに通ったり、スポーツをすることを想像される方も多いのですが、特別な何かを始めなくても、少しだけ意識をすることで運動量は変わります。

・エレベーターではなく階段を使う

・電車やバスでは座らず立つ

・少し遠回りをして家に帰る

・いつもより歩く時間を10分長くする

など、できそうなことから始めてみるのもいいと思います。

そして、糖尿病の治療効果を高めるといわれる、1日に8000歩、そのうち20分が中強度の運動という理想の形に近づけていきましょう。中強度の運動とは、歩きながら隣の人と会話ができるくらいの強さです。普段歩いている速さより、少し速く歩いたり、少し歩幅を大きくしたり、腕を大きく振ることで運動の強度を上げることができます。

 

当院では、運動の強度がわかる歩行強度計の貸し出しを行っています。万歩計のように持ち歩くだけで、1日の歩数や中強度の歩きを教えてくれる機器です。

お試しになりたい方は、ぜひお越しください。

これからの糖尿病治療に役立てていただけると幸いです。

 

管理栄養士 / 健康運動指導士

奥村 遥香

       

        

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両足のしびれ?それって、もしかすると...(看護師)

2017.08.10

両足のしびれ?それって、もしかすると...

 

血糖値が高いのかもしれません。

 

糖尿病の初期や血糖値が正常より少し高いだけ(境界型)の時には、自覚症状がありません。

 

血糖値の高いままの状態が長い期間にわたって続くと、体の細い血管が障害されて血流が悪くなり、とくに細い血管が集中している場所に合併症が起こります。眼、腎臓、神経系に起こりやすく、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害と言われています。

糖尿病神経障害は糖尿病の合併症のうち、早い時期に出現すると言われています。とくに足先は神経の末端なので、症状が一早くあらわれます。

足先、ちょうど靴下でおおわれている部分に、「ぴりぴり」「じんじん」といったしびれや痛み、足の裏に薄い紙が張りついていたように感じる感覚の鈍さが左右対称にあらわれます。それが段々、足先から膝へと体の中心に向かって広がっていきます。神経障害が進行すると、神経そのものが麻痺してしまい、痛みや熱いという感覚がなくなってしまいます。そのため、ケガや火傷に気づかずに悪化させてしまう恐れも出てきます。

 

糖尿病の合併症を起こさず、進行させないためには、

早期発見と予防、血糖コントロールが大切です。

 

気になる症状がありましたら、血糖値の確認をしましょう。

 

糖尿病神経障害の判定を行うための検査として、

神経障害に関する問診、アキレス腱反射、音叉を用いた振動覚検査、触覚や痛覚を確認するタッチテストや竹串テストも行っています。また、神経伝導検査装置での検査も可能です。

 

気になる症状等がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。

 

看護師 岡崎

 

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1型糖尿病の病因は

2017.08.01

1型糖尿病は、インスリンを作っている膵臓のβ細胞が、自己免疫的なメカニズムにより破壊され、インスリンを作る能力がなくなり糖尿病を発症します。

発病率には大きな地域差があり、フィンランドをはじめとする北欧諸国などに多く、中南米諸国では著しく低いことが知られています。日本における発病率は、世界の中でも低いグループに分類されています。

 

病因ですが、一卵性双生児の方が二卵性双生児よりも1型糖尿病の一致率が高いことから遺伝的要因が大きいと考えられます。しかしながら、その一致率が50%未満であることから、遺伝的要因に加え、環境因子の影響も加わって発症する多因子疾患であると考えられています。

 

遺伝的要因としては、白血球抗原であるHLA遺伝子の関与が強いと考えられており、日本人ではDR4、DR9のタイプの人は発症しやすく、DR2というタイプの人は発症しにくいことがわかっています。このHLAのタイプの違いが、発病率の地域差に関連していると考えられます。それ以外にも、複数の遺伝子が1型糖尿病の疾患感受性遺伝子として報告されています。

 

一方、環境因子としては、食事やウイルス、環境有害物質などがあります。1型糖尿病の多い北欧では、乳幼児期から乳製品を多く摂っており、生後早期に牛乳摂取を開始すると1型糖尿病の発症危険度が高くなるとの報告や、高率に患者の血液中にアルブミンに対する抗体が検出されることから、ウシアルブミンが自己免疫を誘導し発症の契機となる環境因子である可能性が指摘されましたが、患者と健常者との間に母乳保育の頻度に差がなかったとの報告もあり、はっきりしたことはわかっていません。また、1型糖尿病の約2割の患者さんで発症前に上気道炎症状がみられていることから、ウイルス感染が1型糖尿病の発症要因と考えられています。コクサッキーウイルスB4や流行性耳下腺炎、風疹、EBウイルス、サイトメガロウイルスなどが報告されていますが、直接的な因果関係については明らかになっていません。

 

このように、1型糖尿病の原因については多くの報告・知見がありますが、いまだ不明な点も多く、「治る病気」「発症の予防」を目指して発症メカニズムの更なる解析・研究が進められています。

 

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インスリンは一度始めると一生やめられない?

2017.07.26

インスリンが体内で作られない1型糖尿病の人は、生命を維持するためにインスリン注射の継続が必要です。また、2型糖尿病でも経口薬でもコントロールが不十分な場合や、肝臓・腎臓の働きが悪い場合、手術前後、妊娠中などではインスリン注射が必要となります。

 

インスリン注射を始めると、膵臓が怠けてインスリンがもう出なくなるのでは?と心配される方もいますが、実際は正反対です。

高血糖が続くと、膵臓は疲れてインスリンの分泌が落ちてきますが、外からインスリンを注射して血糖コントロールを良くしながら、注射によって膵臓の働きを肩代わりして膵臓を休ませてあげると、インスリン分泌が復活し、インスリン注射が中止できることもあります。

ただし、長期間血糖コントロール不良の状態が続き、膵臓が疲弊して元に戻らないぐらいに傷んでしまうと回復することは難しくなります。

 

 

以前はインスリン注射というと、糖尿病治療の最後の切り札という考えがありましたが、現在は早期の段階から良好な血糖コントロールを実現するための手段として取り入れられています。インスリン注射を勧められたからといって、必ずしも重度の糖尿病とは限りません。

時期を逃さず、適切なタイミングでインスリン治療を始めることが、膵臓を長持ちさせるためにも大切だといえます。

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